漢字の「茶」は、草冠を２つの「十」に分解できることから「20」、下が「八十八」に分解できることから「２０」と「８８」を足して「108」。108歳になると長寿を祝う「茶寿」という賀寿があり、お茶を頂いたり、配ったりします。

しゃきっと目を覚ますのに有効な成分はカフェインといいます。苦み＝目が覚めると勘違いされがちですが、それは間違い。100ｍｌあたりのカフェインの量を調べると、玉露が約160mg、コーヒーは約60mg、紅茶は約30mgで、圧倒的に玉露が多いのです。ちなみに煎茶は紅茶と同じくらいの約30mlです。

（平成２９年度の荒茶生産量
全国(推計) 82,000ﾄﾝ　 静岡県30,800ﾄﾝ 鹿児島県 26,600ﾄﾝ）
（農林水産省大臣官房統計部『農林水産統計』より）
※２位鹿児島県　26,600ﾄﾝ　　３位三重県　6,130ﾄﾝ

幕末から明治にかけて活躍した清水次郎長は、鎖国がとけて外国との貿易が始まると、いち早く「清水港を外国船が停泊できるように改築しましょう」「日本のお茶は外国人が欲しがるはずだから、もっとお茶の畑を作りましょう」と人々に働きかけました。そのかいがあって清水港は国が認める外国貿易の港に指定され、日本の茶は日本からの輸出品の大きな目玉になったのです。

南のお茶の産地として有名なのは鹿児島ですが、さらに南の沖縄でもお茶が作られています。ちなみに北で商業的にお茶を栽培しているのは新潟県や茨城県が最北とされていますが、北海道でも茶の生産は行われており、将来的には寒さに強いお茶の品種が生まれて、日本全国でそれぞれ個性の異なるお茶がつくられるようになるかもしれません。

畑から収穫された生葉は、葉の中にある酸化酵素の働きを止めるため、最初に蒸気で熱を加えます。蒸気をあてる時間は数十秒、そのわずかな長短で味や香りが変わってしまうため、とても神経を使う大事な作業です。このあと、数時間かけて揉み、葉の中に残る水分を飛ばし、揉み終わったあとさらに乾燥させたものが「荒茶」です。この状態で静岡茶市場に届き、取引されます。

茶の値段を決める時に使います。売手と買手の間に立って、値段の交渉を担当する売買斡旋人（仲立人、才取りとも言います）が使うそろばんです。一般的なそろばんと違い、下の珠が5つあり、裏側を板で塞いであるため、見られたくない相手の方に裏側を向けると、数字を隠すことが出来ます。

数種類をまぜて売る茶の配合を考えるときに、それぞれの茶の重さを量るのに使います。

数種類の茶をまぜるのに使います。籐という植物のつるを手で編んで作ったものです。昔は広く使われていた道具ですが、今では使う場が少なくなり、こうした道具を作れる人も少なくなってしまいました。

買手が購入したい茶の出来具合を見るために、茶を広げるお盆です。丸と四角があり、それぞれ使い道が違います。丸は数種類の茶をまぜたものを見るときに、四角は一種類の茶を見るときのものです。

茶の品質は乾いた状態だけでなく、お湯を注いでどんな味や香りがするかも確認します。このとき使う茶碗が「拝見茶碗」です。入るお湯の量が200ccと決まっていて、毎回同じ条件で茶を審査できるようになっています。

拝見茶碗の中の、お湯に入れた茶葉をすくい上げる網です。この網ですくい上げた茶に鼻を近づけて、香りを確認します。

茶の生葉を蒸して揉み乾かして製造されたままの茶。一般に流通する多くの緑茶は荒茶ではなく、火入れ選別等の仕上げ加工を経た後の「仕上茶」のことをいいます。

取引価格決定方法の一つ。競りまたは入札ではなく、売買双方の相談により取引価格を決める。品質がそれぞれ違う荒茶には、この相対取引が適しており、静岡茶市場でもこの方法で販売している。

香りや味が均質の茶を造るため、それぞれ品質の異なる茶を数種類組み合わせて配合すること。主として輸出茶の荷造り段階で行われていたが、現在では国内市場でも合組された茶が主流となっている。ブレンドとも言う。

荒茶の製造や仕上げの篩分けや風選などで分離した本茶以外の物。以下主要なもの。
頭（あたま）：篩の上に残った粗大な茶、番茶や焙じ茶の原料となる。
棒茶（ぼうちゃ）：製造段階で選別された茶の茎。茎茶とも呼ばれる。
粉茶（こなちゃ）：篩分けされた粉末状の茶。

若い芽のこと。静岡地方の俗語。